▲中国主導で設立準備が進む国際機関アジアインフラ投資銀行(AIIB)の運営をめぐり、発足当初から中国が単独で最大30%の議決権を握って「拒否権」を発動できる態勢となる見通しになった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(中国語版)が10日までに伝えた。

 銀行運営の透明性確保に関し、中国の対外説明が十分ではないとして、日米は参加に慎重な姿勢を貫いている。中国が単独で拒否権をもつ組織となれば、中国の最終決定に従わざるを得なくなる懸念が強まる。

 同紙は、創設メンバー57カ国が6月下旬に北京で調印する予定の基本規定「定款」の草案を独自入手したという。定款の草案が明らかになったのは初めて。

 それによると、AIIBの資本金は1千億ドル(約12兆円)で中国は単独で最大の29・8%を出資する。出資比率に応じて議決権が決まるが、定款草案は中国の議決権を25~30%と幅をもたせており、最終調整に委ねられるもよう。引用元:AIIB、中国に「拒否権」 議決権最大30%握る見通し、米紙報道(1/2ページ) - 産経ニュース
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▲加盟各国の交渉官は先月、シンガポールで基本的な枠組みを承認し、発足時の資本金を1000億ドル(現在のレートで約12兆5000億円)とすることで合意した。AIIB関係筋によれば、署名式典は6月末に予定されている。中国メディアによると、少なくとも50%の議決権を持つ10カ国が批准した段階で、AIIBは業務を開始できる。それは恐らく2015年末までに実現するだろうという。

 議決権は複雑な計算式によって分配される。その計算式には各加盟国の出資比率、経済の規模、各加盟国が平等に受け取る基本的な票、それに各創立メンバーに分配される600票を加えたものが加味される。議決権の少なくとも75%はアジア太平洋地域の加盟国向けで、アジアの小さな国々の発言権は他の国際機関で現状持っているよりも大きくなる。

 AIIBの定款によれば、中国は1000億ドルの当初資本金のうち297億8000万ドルを拠出する。その結果、中国は前記の議決権の計算式に基づき、全体の25~30%の議決権が配分される。これは銀行の構造や新たな参加国の加盟、増資、その他の重要事項に関連した決定を阻止する拒否権を発動するのに、十分な議決権となる。定款では、こうした重要事項を決めるには、議決権の少なくとも75%の「スーパー過半数」が必要と定められているからだ。
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 アジア太平洋地域の加盟国としてリストアップされているその他の大口の出資国とその額は、インドが83億6000万ドル、ロシアが65億3000万ドル、韓国が37億4000万ドルとされている。同地域以外ではドイツが44億8000万ドル、フランス33億7000万ドル、ブラジル31億8000万ドルなど。

 幾つかの創立メンバーが心変わりすれば、出資比率および議決権比率はシフトする可能性がある。フィリピンの交渉チームの一員である同国財務省のロベルト・タン財務官は「意欲(の度合い)は依然として(フィリピンの)大統領と内閣によって決定されるだろう」と述べた。同氏は、フィリピンの出資比率は約1%になるだろうと述べた。

 AIIB設立を提唱してきた中国財務省は、AIIBの構造についてのコメント要請に応じなかった。同国外務省は、AIIBは「包含的であり、透明性があること」を目的にしていると述べた。引用元:中国のAIIB運営法は効率的-拒否権の発動も - WSJ