▲TPPでは、「故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない」(文化庁資料より)として、著作権侵害のうち「複製等」について、権利者の告訴を不要とする非親告罪化とすることで合意した。映画などコンテンツが主産業の1つである米国が海賊版対策として要求していたとされる。

 これに対し国内では「非親告罪化が2次創作などにも適用されるのでは」──という懸念も広がった。同人誌などの2次創作は、権利者が“黙認”する形をとっていることで日本独自の多彩な表現が可能になっているとして、2次創作に非親告罪が導入された場合、創作の萎縮など大きな影響を及ぼすとして危惧する声が多く上がっていた。
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非親告罪化について、権利者側からは「海賊版対策に有効だが、『商業的規模』や『原著作物の収益性に大きな影響を与えない場合』について明確化を図り、被害者が処罰を望んでいるか否かを十分考慮するなど適切に制度が運用されるべき」(JASRAC)、「映画作品のデッドコピーなど、極めて悪質な行為を対象とすれば十分」(日本映画制作者連盟)など、慎重な意見が相次いだ。

各団体からのヒアリングの後、非親告罪化について土肥主査が「2次創作などは含めない方向で進めたい」とまとめたのに対し、委員から異論はなかった。委員からは「非親告罪化は限定的な方向で進めるべきだが、『公訴提起に当たっては権利者の意見を聞く』など、条文化は難しいだろう」「但し書きをうまく活用すれば権利者の意向確認などはできるのでは」といった意見が出た。

引用元:2次創作は非親告罪化の対象外に 文化審議会の小委員会、方向性まとまる - ITmedia ニュース